愚か者の石

愚か者の石

河崎秋子

本体1620円 + 税

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内容紹介

生きることは、まだ許されている。

 明治18年初夏、瀬戸内巽は国事犯として徒刑13年の判決を受け、北海道の樺戸集治監に収監された。同房の山本大二郎は、女の話や食い物の話など囚人の欲望を膨らませる、夢のような法螺ばかり吹く男だった。明治19年春、巽は硫黄採掘に従事するため相棒の大二郎とともに道東・標茶の釧路集治監へ移送されることになった。その道中で一行は四月の吹雪に遭遇する。生き延びたのは看守の中田、大二郎、巽の三人だけだった。無数の同胞を葬りながら続いた硫黄山での苦役は二年におよんだ。目を悪くしたこともあり、樺戸に戻ってきてから精彩を欠いていた大二郎は、明治22年1月末、収監されていた屏禁室の火事とともに、姿を消す。明治30年に仮放免となった巽は、大二郎の行方を、再会した看守の中田と探すことになる。山本大二郎は、かつて幼子二人を殺めていた。

「なあ兄さん。
石炭の山で泣いたら
黒い涙が出るのなら、
ここの硫黄の山で涙流したら、
黄色い涙が出るのかねえ」

次回配信の予定

2026 8/3 月曜日
  • それいゆ文庫 ヴェルサイユのすき焼き/森山侑紀、史歩
  • それいゆ文庫 弦月と太陽4 ~二人のあやかし事件簿~/朝陽ゆりね、小倉つくし

2026 8/4 火曜日
  • 尼子党忠義 北近江合戦心得〈八〉/井原忠政
  • 神無島のウラ/あさのあつこ
  • サヨナラどーだ!の雑魚釣り隊/椎名誠
  • 就活に失敗し、あらゆる職業の適性がゼロのおれですが、このたび魔法使いの才能を見出されました。/ひるね、六七質
  • 呪いと猫の後宮夜話 ~月夜のまじない妃と眠れない皇帝~/高井うしお、武田ほたる
  • ふくふく書房でお夜食を 2/砂川雨路
  • 野生の暗き岸辺/シャーロット・マコーナギー、高橋尚子
  • 山に抱かれた家 けもの道/はらだみずき

2026 8/5 水曜日
  • 記憶とツリーハウス/何致和、三浦裕子
  • 中途半端な旅人は語る/鈴木保奈美
  • ぼくのうみ/nakaban
  • 星の集う場所/伊藤佐凪

2026 8/7 金曜日
  • 大人かわいいシールのハンドブック/シール大臣
  • 永尾柚乃ファーストフォトエッセイ ゆのものがたり/永尾柚乃
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