淡い雨が降るある日の夕方、兎(と)の都・永豊(えいほう)の紅蝋街(こうろうがい)に、15歳の少年・雨蓮(うれん)を乗せた荷馬車が入っていった。紅蝋街は遊郭(ゆうかく)が建ち並ぶ色町。親をなくした美しく気高い雨蓮は、高級妓楼(ぎろう)・華宵楼(かしようろう)に売られたのだ。
それから10日後の夜。酔客(すいきゃく)が拳(こぶし)を振り上げ、雨蓮を殴ろうとしたその時、拳を掴む背の高い上品な青年官吏(かんり)の冬荷(とうか)が現れた。驚く雨蓮。なぜなら、生まれて初めて庇(かば)われたから。そして冬荷は言った。今宵(こよい)ひと晩、雨蓮を買うと!? 人の温かさも恋も知らない雨蓮は、冬荷に優しく口説(くど)かれ、激しく抱かれ…。幸せな日々が訪れたかに見えたが、2人の愛を阻(はば)む事件が…!?
2024 | 10/16 | 水曜日 |
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