P+D BOOKS 地下水

P+D BOOKS 地下水

川崎長太郎

本体600円 + 税

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内容紹介

自分の身の上と文学仲間の動静を綴る傑作。

——庄太の一枚看板みたいな私小説は、いまだに彼の頭へこびりついており、忘れた時分に作品も発表している。今後共、世間にもて囃されるようなものは覚束ないにしろ、片隅でコツコツ書いて行きたい、あぶれ者の自慰行為に似た執念は、相当のようであった。——
 プロレタリア文学が一世を風靡し、短い文芸復興期を挟んで、戦争文学が主流になっていく戦前・戦中期。どの波にも乗れず、講演の抄録や短い文芸批評、地方紙の埋め草原稿などで糊口をしのいでいる小川庄太は、東京でやっていけなくなると故郷の小田原に戻り、実家が持つ物置小屋で寝起きしていた。やがて、他人のものに手を出すまでに困窮し、軍隊に入るか、牢に入るか、というところまで追いつめられて……。
 自分と家族の身の上を縦軸に、文学仲間の動静を横軸にして淡々と綴る見本のような私小説。宇野浩二、中山義秀、田畑修一郎、火野葦平らが変名で登場し、文壇の裏事情が垣間見える傑作。

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