それいゆ文庫 花街の萬屋 あやかし奇譚 〜物言う櫛〜
著/藤本透
イラスト/猫道ねこ
本体500円 + 税
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内容紹介
花街に巣くうは鬼かあやかしか。失せ物、揉めごと、よろずごと。青藍と蘇芳、二人のあやかしにお任せあれ。幻想時代怪異譚、開幕。
帝都を流れる湯埜川の中洲に広がる花街・湯ノ都。絢爛たるにぎわいと色恋のもつれが毎夜くりひろげられる遊郭地帯である。ろうそくからしたたるろうのように、涙と嫉妬、怨みと悲しみが日々流れ、あやかしたちを吸い寄せる。そんな花街を悩ませる揉めごと困りごとを引き受けるのは、あやかしが営む萬屋である。人ならぬ美青年・青藍は、今日も今日とて萬屋に舞い込んだ依頼“物言う櫛”の一件で櫛屋を訪れていた。櫛屋に代々伝わる“物言う櫛”は、それを授かった遊女を花街一の花魁に出世させる魔力を持つという。こともあろうに花魁見習いの雛櫛はそれを自分の客に契りとして与えてしまったのだ。青藍は櫛を回収して不始末を片付けたのだが、せっかく取り戻した伝説の櫛を、少年のような謎の禿・蘇芳が横から「俺に譲ってください」と奪おうとする。一目で蘇芳が人ならぬ者であると見抜いた青藍は、訴えを退けて持ち主である雛櫛へ櫛を戻す。だが、櫛の声を聞いた雛櫛は、櫛があやかしであると訴え、真っ二つに折ってしまう。手放せば、災いを招くかもしれないと囁かれた呪いか否か、雛櫛は盗みを暴かれ、折檻を受けた末に自ら縊り死んだ──ほの暗い行燈の灯りに浮かび上がる幻燈のようなあやしい世界。温泉の河から立ちのぼるのは湯気か、魂魄か。ひそやかな火花を散らすは妖火か、人魂か。廓(くるわ)から離れられない幽霊・夕霧が指した方角に蘇芳が見たのは、枯れ柳にまとわりつく雛櫛の亡霊だった! 妖火、なぞの失せ物、花魁の虚言、そして人を喰らう鬼の噂……つぎつぎと現れる廓の難事。よるべない孤独なあやかし・蘇芳は萬屋見習いとして花街に居場所を見つけられるのか。廓に生きる女たちの涙はむくわれるのか。幻想時代怪異譚、開幕——
次回配信の予定
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2025 |
1/28 |
火曜日 |
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- ブルーインパルス 35秒の奇跡/宇都宮直子
- 緊張やわらぎメソッド ~「失敗したらどうしよう…」が「まぁなんとかなる!」に変わる80の方法~/佐藤健陽、加藤隆行
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2025 |
1/29 |
水曜日 |
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- ドラえもん科学ワールドspecial ふしぎがいっぱい! 色の世界/藤子・F・不二雄
- ウクライナ わたしのことも思いだして ~戦地からの証言~/ジョージ・バトラー、原田勝
- 台湾クラフトへの旅/平野久美子
- オリオンは静かに詠う/村崎なぎこ
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2025 |
1/30 |
木曜日 |
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- 日本の新構想 ~生成AI時代を生き抜く6つの英智~(小学館新書)/波頭亮、磯田道史、島田雅彦、神保哲生、中島岳志、西川伸一
- 日本語教師、外国人に日本語を学ぶ(小学館新書)/北村浩子
- ルポ 「トランプ信者」潜入一年(小学館新書)/横田増生
- ひとりで生きちゃう武闘派女子が頼って甘えて幸せになる50のトレーニング ~「頑張らないこと」を頑張りたいあなたへ~/根本裕幸
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2025 |
1/31 |
金曜日 |
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- 「マウント消費」の経済学/勝木健太
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- 庄野潤三電子全集 第17巻 エッセイ4 1986~1994年 「誕生日のラムケーキ」ほか/庄野潤三
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