あの時、別の選択をしていたら私の人生は?
12年前のある朝、魚貫めぐるは公務員試験を受けに行き、にわか雨に降られて立ち往生してしまった。選択肢は駅まで走るか、様子を見るか、タクシーを探すかの3つだった。その時、小学一年生の秋に、海に釣りに出かけてそのまま行方不明になってしまった、おじいちゃんのことを思い出してしまう。
めぐるは、行方不明になったおじいちゃんのことが、ずっと気に掛かっていた。そして、そのことを物語にして子供たちに聞かせたいと思っていたのだ。
その後、この3つの選択をしためぐるのそれぞれの人生が描かれていく。
果たして、幸福だったのはどの生き方だったのか——。
読んだ後、「これでよかったんだ」と思わせてくれる長編小説。
『巡る女』を改題しました。
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