師・堀辰雄の「父」を検証した『内的獨白』、愛書家として記した書物エッセイ集『異邦の薫り』『絵のある本』等を一同に収録。
1976年「文藝」に連載されたエッセイ『内的獨白』は、江戸時代以来の考証随筆の手法を駆使し、福永が青春時代より敬愛し続けてきた堀辰雄をめぐり考察したエッセイ。堀の生い立ちの秘密(実父と育ての父が別人物だったこと等)について、堀自身の認識、文学仲間や研究者の証言、調査、論文などに綿密な考証を加え、師・堀辰雄の人間像に迫った福永晩年の問題作。
『異邦の薫り』は、『於母影』から『神曲』まで13冊の、福永好みの翻訳詩集について言及したエッセイ集。「訳文と原文」、「訳文と他者訳」を各々抄出、対照、校合して、日本語への独自の寄与と文学的意義、訳文の特色等を具体的に指摘したものである。
ほか、編纂本として、「堀辰雄・福永武彦版『我思古人』」、「堀辰雄『菜穂子』創作ノオト及び覺書」を収録。
また、雑誌「ミセス」に連載され、没後に単行本化された『絵のある本』は、福永の書物愛に満ちたエッセイ集で、「読むにも宜しく見るにも宜しく、撫でたりさすったりしたいような本」16冊がセレクトされている。
附録として、『内的獨白』装幀案、自筆訂正入り『異邦の薫り』「索引」校正刷、自筆手帖より『絵のある本』掲載検討書目等を収録。
2024 | 11/20 | 水曜日 |
2024 | 11/22 | 金曜日 |
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