こわれた関係を立て直そうとする夫婦それぞれに感じる愛を描く『きぬた』など、男と女の愛憎を描いた5作品を収録。
『きぬた』は立原が敬愛する世阿弥の『砧』を想起させる表題で、父への反抗、妻へのコンプレックスから、家を出て厭世的な生活を送る道舜と、計画的な、たった一度の夫の友人と逢瀬で生まれた傷を、人智の及ばない自然の持つ大きな力で癒やしていく妻・縫。新婚時代に二人で出かけた雪解け水が湧出している泉を、久々に見に行った二人は、透明感のある地下水を見て、汚れのなかった当時の二人の歳月を思い出す……。そのほか、堕胎を通じて体験した主人公の“現実の枯野”を描く『枯野』、再会した作庭師との逢瀬の果てに“枯野”歩き始めた人妻を描いた『夢は枯野を』、そして『狂い花』、『おんなの足音』と、男と女を描いた5作品を収録。
付録として先輩作家として敬愛していた吉行淳之介氏のとの対談のほか、吉行氏による立原逝去への追悼エッセイや、長女・立原幹氏が父の思い出を綴る「東ケ谷山房 残像 二十」など関連エッセイ4作を収録。特別付録として、『きぬた』、『狂い花』の生原稿を収録。
※この作品にはカラー写真が含まれます。
2024 | 11/20 | 水曜日 |
2024 | 11/22 | 金曜日 |
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