立原の分身ともいえる作家・更科信彦。女遊びと喧嘩の日々の中に美意識、無常観が示唆された『女の部屋』など、更級が登場する4作品を収録。
『女の部屋』は小説家となった更級信彦が、京子との十六年ぶりの再会に過去の自分の生活を振り返る形で進行する四章構成で、男も女も、性も暴力も時間の流れの中で風化してしまう様を描きながら、立原の美意識、無常観が示唆された代表作の一つ。
『乾いた十月』は、今は東北のある街で平凡な生活を送っている主婦が、かつて一緒に暮らし出て行った画家と再会し、停止した時間を麻薬の力を借りて埋める作品で、『果樹園への道』は山形の没落した旧家を立て直そうとする女主人と、それを取り巻く周囲の人々との人間模様を描き、ともに東北を舞台に描かれた作品。『流れのさなかで』は平河町の料亭女将の、女としての歓びと烈しい生き様を描きTVドラマ化された作品。3作ともに、脇役として更級信彦は登場する。
付録として、片や「早稲田文学」の編集長として、「三田文学」の編集長・遠藤周作氏との対談「文学早慶戦」のほか、長女・立原幹氏が父の思い出を綴る「東ケ谷山房 残像 二十一」に加え、妻・光代が夫との日々を回想する「追想---夫 立原正秋」(前篇)など関連エッセイ3作を収録。
※この作品にはカラー写真が含まれます。
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