昭和59(1984)年に刊行された『旅の終りは個室寝台車』は、当時の最長区間を走る山陰本線の普通列車(門司—福知山)824列車の乗車記録から始まる。それまでのローカル線乗車記とは趣を変え、長距離区間を宮脇が乗りたかった列車やコースで辿っている。また担当編集者が著者の鉄道趣味に理解がないものの、担当として同行する旅の中で掛け合う様子が宮脇ながらの絶妙なユーモアを交えて描かれている。タイトルとなった『旅の終りは個室寝台車』は、東京に帰る最後の章で綴った、今はなき名門寝台特急「はやぶさ」の乗車記だ。本書に記されている《楽しい列車や車両が合理化のもとに消えていくのは淋しいかぎり》という一文が、30年を経た現在、その通りになってしまったことを宮脇はどう思っているだろうか。
『線路のない時刻表』は、国鉄時代末期に当時の鉄道建設公団が建設途中で凍結されてしまった路線に悲哀を感じた宮脇が、現地を訪ねながら各地の5路線(全線開通版では瀬戸大橋線と津軽海峡線も紹介)を綴った鉄道エッセイである。凍結された各地の自治体担当者のインタビューを、単なるルポルタージュとしてではなく宮脇の文体に置き換えられた肉声になっているところが興味深い。また「宮脇俊三作国鉄非監修」という著者自身が作成した架空の時刻表が掲載されているのも、鉄道好きの遊び心を感じさせてくれる。
付録:宮脇俊三アルバム、連載『最長片道切符の旅』自筆原稿 など2点
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