悠久の大地を行く鉄道からインドの素顔が窺える。また欧州を縦横無尽に鉄道で移動し、夫婦や友とのユーモラスなエッセイが秀逸!
『インド鉄道紀行』は、1988年から翌年にかけてインドの汽車旅をまとめたものである。インドの国鉄は総延長6万2千キロ余でアジアでは中国に並ぶ鉄道大国だが、当時は等級の高い列車にしかエアコンが装備されていないことや宮脇ならではの鉄道事情を捉えた様子が綴られている。また食事はカレーの類が多く、好きな酒が思うように手に入らないうえに水あたりで腹を下すなど、いいことずくめではない汽車旅の中にもユーモアが覗く。ガンジス川の沐浴の情景やインドの歴史・風俗についても触れられており、地名や地理的な解説についてはいかにも宮脇らしいタッチが窺われる。
『ヨーロッパ鉄道紀行』は、日本と同じく正確で時刻表通りに走る高速鉄道からシチリア島の鄙びた鉄道まで、東欧からドイツ、イタリア、フランス、スペインに至るまでバラエティーに富んだヨーロッパの鉄道を網羅した紀行集。その汽車旅は宮脇にしては珍しくツアーによるものや夫婦での旅、また友人との二人旅などだが、つまるところ海外でもローカル線の旅の趣がよく伝わってくる作品である。
付録:宮脇俊三アルバム、連載『最長片道切符の旅』自筆原稿 など2点
【ご注意】※この作品は図表が含まれるのと、付録の原稿が手書きのため、お使いの端末によっては読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
2024 | 11/20 | 水曜日 |
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