中上健次 電子全集8 『エッセイ集 1970年代〜80年代』
中上健次
本体1946円 + 税
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内容紹介
30代から40代にさしかかり脂ののりきった中上渾身のエッセイが一堂に! ビートたけし、坂本龍一との対談も収録!
韓国の民俗芸能の発見から語り起こされる『風景の向こうへ』の肝(きも)は、五人の作家論を配した「物語の系譜」のパート。初版の単行本に収録されたのは、折口信夫論の途中までであった。他に同じ新宮出身の佐藤春夫、谷崎潤一郎、『雨月物語』の上田秋成、そして「日本近代文学にあらわれた唯一の女性物語作者」円地文子が新たに論じられている。熊野の風土のそこかしこで、物語が発情させられていると語る作家は、その「物語」に存分に染まり、しかしまた敢然として「物語批判」に立ち向かう紛れもない「小説家」だった。あえて谷崎潤一郎を、「物語信奉を餌に肥え太ったブタ」と語ったのも、「モノガタリへの畏れ」を人一倍自らに掻き立てた作家ならではの挑発的な言辞だろう。
『アメリカ・アメリカ』で中上は、アイオワを起点に米国中南部を旅する。ここではボルヘス、ボブ・マーリーというおよそかけ離れた存在が、インタビュアー中上によって、何故かキャラクター的に何らの違和感もなく共鳴を開始するのだ。
また『オン・ザ・ボーダー』では、まさにボーダーに立つ作家から次のような魂の叫びが発せられる。「ただ、東アジア、日本からしか生れえなかった文学が、さながら難破船からの救助信号のように世界に向って発信されるのである」−−。
特別寄稿として、長女・紀の回想録「家族の道端」(8)、現代作家が語る「中上文学の神髄を語る」(4)島田雅彦を掲載。
付録:『鳩どもの家』サイン本等を収録した「特別資料」(8)と、を収録。
【ご注意】※お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
※この作品にはカラー写真が含まれます。
次回配信の予定
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2025 |
7/1 |
火曜日 |
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- sabra第4号(2025年夏)/sabra net 編集部
- みんながねむったら/安西水丸、安西カオリ
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2025 |
7/3 |
木曜日 |
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- ドラえもん科学ワールドspecial 遺伝子のふしぎ/藤子・F・不二雄
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2025 |
7/4 |
金曜日 |
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- 雨利終活写真館/芦沢央
- 逆説の日本史27 明治終焉編 韓国併合と大逆事件の謎/井沢元彦
- 昆虫博士・牧田習の虫とり完全攻略本/牧田習
- 邪神の花嫁御供 生贄は真実の愛を捧ぐ/田井ノエル、THORES柴本
- 新・教場/長岡弘樹
- 空が、赤く、焼けて 原爆で死にゆく子たちとの8日間/奧田貞子
- 不思議カフェ NEKOMIMI/村山早紀
- 前の家族/青山七恵
- 魔女と黒猫 家庭教師をしたら高慢な姫様に懐かれました/宮野美嘉、毛玉呂
- 笑う四姉妹 ひとつの庭と四つのおうち/金子ユミ
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