新事実と精緻な推理を駆使し太宰の遺書の謎に迫った傑作評伝ミステリー。
日本文学史の固定観念に挑んだ「評伝三部作」のひとつ、『ピカレスク 太宰治伝』(2000年11月小学館刊行、2007年3月文春文庫)を収録。
新事実と精緻な推理を駆使し、太宰の遺書の謎に迫った傑作評伝ミステリー。
当代一の人気作家・太宰治は、なぜ遺書に「井伏さんは悪人です」と書いたのか。関係者から得た。師と仰いだはずの文豪・井伏鱒二との確執や、度重なる自殺未遂に隠された目論見など、死のうとする太宰ではなく、小説のために目標の設定と破壊を繰り返して勤勉に生きようとした、これまでにない太宰像を彫琢。その勤勉な青年の軌跡に、日本の近代の軋みが浮かびあがる。
文春文庫版に収められた増補「『黒い雨』と井伏鱒二の深層」(『文学界』2001年8月号初出)のほか、巻末の「解題」には、井伏と太宰について縦横無尽に語り合った谷沢永一氏との対話「作家の沈黙 文学の終焉」(『Voice』2001年8月号初出)を収録。また、単行本刊行時に各紙誌に掲載された、鹿島茂、出口裕弘、佐々木幹郎、松永伍一、関川夏央、久世光彦ら各氏による書評を収める。
2024 | 11/20 | 水曜日 |
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