なぎさホテル

なぎさホテル

伊集院静

本体620円 + 税

読む

内容紹介

作家・伊集院静の原点が綴られた自伝的随想。

 1978年冬、若者は東京駅構内にいた。足元のトランクには数枚の衣類、胸のポケットにはわずかな金しかなかった。入社した広告代理店も一年半足らずで馘首され、酒やギャンブルに身を置いた末に、東京での暮らしをあきらめていた。生家のある故郷に帰ることもできない。
 そんな若者が、あてもなく立ち寄った逗子の海岸に建つそのホテルで温かく迎え入れらえる。
「いいんですよ。部屋代なんていつだって、ある時に支払ってくれれば」
 見ず知らずの自分を、家族のように受け入れてくれる“逗子なぎさホテル”の支配人や副支配人、従業員たち。若者はそれからホテルで暮らした七年余りの日々の中で、小説を書きはじめ作家デビュー、大人の男への道を歩き出す——。
 作家・伊集院静の誕生まで、若き日に向き合った彷徨と苦悩、それを近くで見守ってくれた人々との出逢いと別れ。名門ホテルは平成元年にその歴史に幕を閉じているが、目の前に海の広がるあの場所で過ごした時間は、今でも作家の夢の中に生き続けている。作家デビュー前夜からの大切な場所と時間を振り返り、作家としての原点を綴った貴重な自伝的随想。巻末には、文庫化にあたり書き下ろされた「あとがき」を追加収録。

同じジャンルの書籍から探す

マリコはたいへん! フォレスタBOOK 〜心に響く歌を届けて〜 メイド・イン・オキュパイド・ジャパン モデル失格 幸せになるためのアティチュード(小学館101新書) もっと知りたい! 大谷翔平 〜SHO−TIME観戦ガイド〜(小学館新書) ペガサスの記憶 空が、赤く、焼けて 原爆で死にゆく子たちとの8日間 『ぴあ』の時代 P+D BOOKS 都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト おれたちを笑え! わしらは怪しい雑魚釣り隊 核大国ニッポン(小学館新書) 開高 健 電子全集7 小説家の一生を決定づけたベトナム戦争 池上彰の世界の見方 中国 〜巨龍に振り回される世界〜 命ひとつ-よく生きるヒント(小学館101新書) 病気の日本近代史 〜幕末からコロナ禍まで〜(小学館新書) だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない

次回配信の予定

2025 11/10 月曜日
  • 鶴岡八幡宮宮司の鎌倉案内 ~後世に伝えたい歴史と文化~/吉田茂穂

2025 11/11 火曜日
  • 小学館版 新学習まんが人物館 水木しげる/水木プロダクション、村上健司、新井淳也

2025 11/13 木曜日
  • お元気部屋へようこそ/安田夏菜、紙谷俊平
  • P+D BOOKS C席の客/眉村卓
  • P+D BOOKS ベンガルの憂愁/大原富枝

2025 11/14 金曜日
  • 「鬼平犯科帳」を歩く! 長谷川平蔵と大江戸さんぽ/松本英亜
  • しっぽのみじかいトカゲくん/りんたろー。
abj

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号6091713号)です。
ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら。https://aebs.or.jp/